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戦前、日本は欧米列強に追いつけ追い越せで、国を挙げて技術者を海外に派遣して最新の技術を学ばせた。
お陰で日本の軍事技術は急激に成長し、世界水準の戦艦を始め、零戦や酸素魚雷など、他国が真似できない兵器も登場し始める。
ただ、これだと日本の純粋培養じゃないから、本当は「付け焼刃」なのね。
地力とは言えない。
でも、知っての通り、日本国内は世界恐慌のあおりで低迷する経済に苦しんでいた。
そういう中で、半ば希望的観測の様に、「日本はもう十分すごいんじゃないか」という論調が出てくる。
事実、日本はこの時既に、WWI、日清日露戦争で続けざまに勝利し、新興国として自国史上未体験のゾーンに突入していた。
つまり、垂直方向の比較だけで油断してしまった。
本当は水平方向、つまり欧米列強と比較しなきゃいけなかったんだけども。
零戦が開発された戦前当時に海軍航空本部長~海軍次官~連合艦隊司令長官を歴任した山本五十六元帥は、対米戦には反対だった。
むろん、到底勝てる相手ではないからだ。
しかし勝てる相手でないことを理解してる人が思いの外少なく、日本は開戦の方向に押し切られてしまう。
零戦は艦載機だから、主脚は頑丈に、機体は軽く作らなければならない。
エンジンは、当時の時点で量産が可能だった新しい1000hpクラスを前提に設計された。
この条件の下、海軍は、制空戦闘のみならず邀撃もこなせるよう、主武装の7.7㎜機銃に加えて当時は重武装の部類だった20㎜機銃の装備と、艦船数の不利を航空戦力で補うべく、長大な航続距離を求めた。
つまり、零戦の仕様は、ただ漠然と「強い戦闘機」を目指したものではなく、使い方まで考え抜いた上で計算して決められたということになる。
俺個人としては、開発当時、零戦は文句なしに世界最強だったと思う。
重武装、速力、運動性能はもとより、航続力や操縦性の良さ、さらに、これを艦載機で実現した点まで含めれば、他国の追随を許さないレベルだった。
工業力で圧倒的優位にあった米国の、主力艦上戦闘機・F4Fと互角以上の性能を実現したというだけでも、当時としては驚異的だ。
零戦を戦時中の他国機と比較する場合、零戦は戦前に設計されて完成した機であり、同時に世界の技術水準は、第二次世界大戦の勃発で急激に成長したことも考慮しなければいけない。
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