例えば。
今いる金持ちから生活費以外の残りの資産を没収して集め、それを貧困に苦しむ人たちに配ったらどうなるか。
まったく試算してないが、「食わす」というには程遠い額になるだろう。
「足りない」か、「行き渡らない」。
根拠は単純。
カネは、何らかの形で人から人の手に渡って集まる。
この時、人の手を経るごとに「手数料」が引かれる。
つまり、移動するだけで目減りするのだ。
だから、集めたカネを再分配しても、元本は返ってこない。
それどころか大幅に減って戻ってくる。
行きにカネがかかるなら、当然帰りもカネがかかるからだ。
「ない」場所から吸い上げられた富は、「ある」場所に集積される。
集積された富は、力関係のヒエラルキー(上下関係)に従って分配される。
だから、金持ちからいくら巻き上げても、貧乏人は豊かにならない。
ヒエラルキーはそのままだからだ。
何十年か前に「マルチ商法」なる違法行為が流行して問題になった。
要するに、形を変えた「ねずみ講」と言っていい。
自分が「親」になるグループを作り、「子」は「親」に売上げの一部を上納する。
その「子」は、下に「孫」を作れば、やはり下のグループで「親」になれる。
これを続けていけば、早い段階で「親」になった者は、限りなく儲かるというわけだ。
むろん、この仕組みが破綻していることは、いまや説明の要はない。
勢いよく儲かるのは初期の「親」だけ、それも初めのうちだけで、参加者が鼠算式に増えていくと、すぐにそれ以上増えることができない「頭打ち」の状態になってしまう。
「子」をいくらかけもちしても、低額の上納金がネックになり、損するばかりで儲からない。
要するに、これと似たような矛盾が、「弱肉強食」の論理にも働いている。
「食い物にできる弱者」の数は限られているのだから、「弱者を食い物にして楽に食える強者」の数も、自ずと限られるのだ。
一方で、騙されて夢を見るアホは後を絶たないので、結果として食えないアホが大量発生し続ける。
この泥をかぶるのは一体誰かという話。
俺が潰されるまでは解決するチャンスだったんだけどね。
ほんと、アホにつける薬はないな。