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地震学者の今村明恒先生の述解は、「一般論として自分の研究に不備があった」ということではなく、「防災・減災という目的に対して不十分だった」というニュアンスで、要は自戒、謙遜だと思います。
彼は統計的なアプローチから地震を分析する草分けです。むろん統計ですから、どんなに精査したとしても解は範囲になりピンポイントの「予知」はできません。である以上、100%と言い切ることはできない。言い切ることができないから、警告を発した当時は懐疑論の餌食になってしまったわけですが、逆に言えば、この革新的な観点があったからこそ関東大震災を予測することができたわけです。
そして今の地震学では、統計的な分析は常識になっています。
彼の功績は「発明」ではなく、地震の予測に統計を用いることを思いつき、世の風当たりに立ち向かったこと。新しい重要なアプローチを見出し道を切り拓かれた方です。
今の地震学は、完成に向けてひたすら進むステージ。
発明→発展→完成。